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12.23
Sat
内外の宮とは伊勢神宮、内宮と下宮。
内宮に天照大御神、下宮に豊受大神を祀る。
伊勢神宮に参宮の勅使の命に、巫女が「神楽」を、神官が「獅子ノ舞」を奉納する。
「獅子」の舞が眼目の能。

のどかな早春、勅使が伊勢神宮参拝に赴く。
勅使は琵琶湖の東南岸、矢走の浦を過ぎ難路、鈴鹿路を超え伊勢路に入り無事伊勢大神宮に到着する。
神官と神子が現れ、神宮の神の威徳を賛美し、民は神の御心に叶うよう正直を基として仕えなければならないと説く。
勅使は神官に祝詞を奏上するよう命ずる。神官は幣を打ち振り祝詞を奏上する。
神官は座を改め君臣、親子、夫婦、兄弟、友人の間の道、五常、仁義礼智信を説く。
勅使は「げに有難き物語、心に染みて有難き」と褒め、神子に神楽を、神官に獅子をと勧める。神子は幣を振り立て神楽を舞い、続いて神官が豪壮華麗に「獅子」を舞う。
舞い終えた神官が獅子の装束を改める間に神子が軽やかに「破ノ舞」を舞い、更に奉納の舞は続き、やがて東の空に五色の雲が棚引き日輪が輝き出る。

この能は「獅子」を眼目にした能。くわえて神子に「神楽」を舞わせ更に「破ノ舞」を舞わせるなど見せ場の多い芸尽くしの能といっていいかも知れない。神楽は通常五段の舞だが三段で舞い納める。
シテ神官は面を着けない直面。神子は小面の清らかな姿で舞う。
「獅子」は「石橋(しゃっきょう)」「望月」「内外詣」の三曲で舞われ、三獅子と呼ばれる。
「石橋」の“獅子”は文殊菩薩の浄土、清涼山に住む霊獣。ライオンの和名も獅子だが、能の獅子はライオンではない。
石橋は獅子の親子が牡丹に戯れる様を、激しさの中にも華麗に舞う。
「望月」、「内外詣」は石橋の獅子を模して舞い、霊獣と人の舞の違いをみせる。
面も石橋は獅子の面、望月、内外詣は金扇二枚を合わせ獅子の口に見せ、獅子頭を着け、緋の布で覆面して獅子の姿にする。
作者は金剛流十代、金剛又兵衛長頼。金剛流中興の祖と言われ名人の誉れの高かった人と云われる。とかく話題の多い人であったようで他流儀との序列争いなど気性の激しい人であったようだ。鼻が高く石榴鼻で鼻金剛と呼ばれたという。
奈良の場末の寺が火事で全焼、焼け跡から不動尊の頭部が見つかった。長頼は住職に懇願して譲り受け不動の面を作った。「調伏曽我」でこの面を着て舞った。石榴鼻が面に食い込み無理に剥がしたら肉が付着、夥しい血が流れた。以来「肉付不動」と呼ばれ今も名物面して残る。 
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