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09.20
Fri

絵馬(えま)

カテゴリ:絵馬
前場に五穀豊穣を左右する天候を占う神秘的な神事を見せ、後場に岩戸開きの神話を華やかに、壮大に見せる。劇的に、面白く、荘重な神能のなかで趣きの一風変わった作品。
伊勢神宮に数々の宝物を奉納する勅使が伊勢に下り、伊勢国多気郡の斎宮に着きます。
折しも節分、この夜絵馬を掛ける行事があると聞き見物することにします。
夜半、絵馬を手に老人夫婦が現れます。姥が雨の占形を示す白の絵馬を掛けようとすると老翁は遮り、日照りの占形を示す黒の絵馬を掛けようと互いに掛けあらそいますが、国土豊かに人民が幸せにと白黒二つの絵馬を掛けることにします。
二人は絵馬を「かける」という言葉の縁語を連ねて謡い、絵馬を掛けるのは人目忍んでするのだがと、実は私達は伊勢の二柱の神であるといって消え失せます。 
 やがて月読神の御姿である月光の輝く中、天照大神が天鈿女命、手力雄命を従えて現れ神の舞を奏します。天鈿女命も神代の昔、天照大神が天岩戸に隠れたとき面白く可笑しく舞ったという舞を舞い、続いて手力雄命も豪快に舞い、神代の故事を見せ国土安穏を寿ぎます。
※占形 占いによって現れた。

□絵馬の行事があった斎宮は大神宮に奉仕する皇女の御所でした。この制度が廃止された後、斎宮の森の小屋で大晦日、鶏鳴の頃に行われ、来る年を占った。(旧暦では大晦日と節分が重なる事が多い)黒馬が掛けてあれば多雨の年、白馬ならば日照り、誰が掛けたとも知らず神の告げとしたという。
後見が舞台の正面に置く作り物が斎宮の小屋です。後場では天の岩戸に変わります。前面に扉を付けてあり天照大神が押し開けて姿を現すなど工夫されています。
老夫婦の絵馬掛け争いは微笑ましくさえあって民を思う心に満ち、長閑な雰囲気が漂います。絵馬を掛けて老人は神の化身であることを示す「来序」の荘重な囃子で中入りします。
□間狂言は蓬莱島の鬼二三人、おもあいは槌を担げて出、めでたい折なので帝に捧げ物をしたいという。神仙の住む蓬莱島の鬼です。鬼が宝を打ち出し捧げるという設定も頬笑ましい。
これは大蔵流の場合で和泉流では末社一人の立ちしゃべりで小書「大勢」がつくと大蔵と同じになります。 
  ※間狂言 前場が終わり後場が始まるまで、間を受け持つ狂言
   小書  替えの演出、大蔵、和泉流は狂言の流派

後場のシテ、天照大神は曲玉の首飾りをかけています。太古の姿を彷彿とさせます。
神能のシテの舞は颯爽とテンポの急な「神舞」が多いが天照大神は女神なので中庸の位の「中ノ舞」を基にした舞を舞います。金剛流では神格を重んじ「神ノ舞」と称しています。
天鈿女命は「神楽」のテンポの緩やかな前半を舞い、手力雄命が後半を急の位に、豪快に舞い「面白や」と天照大神が扉を押し開けると天鈿女命、手力雄命両神は大神の袖をとり導き出す場面につなぎます。スケールの大きな見せ場です。

◆天照大神は日の神であり又日本の祖神です。女神ですが男女両性を持つと考えられています。そのためか、この曲は流儀によって演出がことなります。金剛流、観世流は女神であり「舞」は前述のとおりです。宝生、喜多流は男神で「神舞」を舞いツレ二人は「神楽」を相舞します。「三輪」や「葛城」の神が男神なのに女体の神とする演出と同じでしょう。
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