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01.14
Tue
□あらすじ 

中納言藤原成範は、無類の桜好きでした。屋敷の四方に吉野の桜を移し植え
人々はこの町を樋口町桜町と呼び、中納言を桜町中納言とあだ名しました。
その中に殊に中納言が愛した桜がありました。
柵で囲い花守をつけました。
中納言は七日間ほどの短い桜の花の命を惜しみ、その命を延ばそうと
生類の命を司る神、泰山府君の祭をします。
天上より天女が降り立ち、桜の花のあまりの美しさに一枝を手折り、
羽衣の袖に隠し、昇天して行きます。
祭の場に泰山府君が現れ、天女を天上から呼び下し、
盗んだ花の枝をもとの木に戻させ、大いに神威をを見せ、中納言の風雅な心に感じ
桜の花の命を二十一日間に延べ、昇天していきます。

□この能は金剛流にだけある能です。
メルヘンチックで、心の負担のない、能になじみの薄い人でも楽しめる
分かり易い能です。
天女が桜の枝を盗み羽衣の袖に隠す型や、泰山府君が、桜が散らないように
護る型など珍しい型があります。
よく上演された時期もあったのでしょうか、狂言「二人袴」の小舞に
この能の一節「あれれ一枝を天の羽袖に手折りて」のくだりが取り入れられています。

□この能の前場のシテ、天女と後場の天女は同じ天女です。
同じ天女を前場はシテ後場はツレとして別の役者が演じます。
上演の度に不自然さを指摘されました。
シテ至上主義の考え方に基づく演出であるといわれます。
金剛流の長命家に伝わったとされる「竹生島」女体の小書では、
前場の老翁はツレ、女がシテ、後場では龍神はツレ弁財天がシテとなり
常とは逆になります。
もっとも後シテ弁財天には「天女ノ舞」に代えて「楽」を舞せますが、
それでも役柄の比重から見れば「泰山府君」の場合の逆のケースといえましょう。
能は面をかけ、ものものしい装束をまとい、演者が全く別の人格に変身
又は没人格となるはずです。
演ずる方も観る方も、舞台上のキャラクターに生の演者を重ね合わせてみる、
他の芸能と同じように個人崇拝、権威主義から逃れることができないのでしょう。

□桜町中納言、藤原成範は、藤原信西の三男で、
高倉天皇の局、小督の父であるといいます。能「小督」に作られています。
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