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11.04
Sat

翁(おきな)

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「翁」は天下泰平、国土安穏、五穀豊穣、を祝福、祈念する能であって、能にして能に非ずと云われる。祈祷と祝福を主眼とする故だろうか。演劇性は希薄で能、翁の詞章である謡は特に「神歌(かみうた)」と称する。
開演直前には客席の扉が閉ざされ入場出来ない。神事色が濃く観客にも自制が求められる。
翁を勤める太夫は別室で過ごし食事も別火と称して太夫だけの食事を作る。
鏡の間には翁飾りと呼ばれる祭壇を設け、お神酒、人の命を繋ぐ象徴として、洗い米、塩を供え面、鈴を入れた面箱を飾る。
出演者全員、鏡の間に居並びお神酒、洗い米を頂き、塩で身を清める。
囃方、地謡、後見は第一級の礼装、素袍、侍烏帽子を着る。

舞台は式三番と称して翁、千歳、三番叟の三つに分かれる。
幕が上がる直前に火打石で切り火を打ち、舞台のみならず全てを清める。
面箱を捧げ持った千歳、翁、三番叟、他出演者が続いて出、翁は舞台正面先に出て下に居深々と辞儀をする。橋掛かりに居並ぶ出演者一同、じぎする。

三人連調の小鼓につれて翁は「とうとうたらりたらりら、たらりあがりららりどう」と謡う。その意味、出典は分からないという。呪文の類に聞こえる。
つづいて「鶴と亀との齢にて」と謡い長寿を祈願、祝福する。
小鼓方三人で囃すのも翁のみ。
千歳が立ち「鳴るは滝の水、日は照るとも」と謡い、颯爽と「千歳之舞」を舞う。
昔は農耕社会であった。雨露の恵みを祝福する舞だろうか。千歳の舞の内に、翁は面箱の面を自身でつける。面を舞台で付けるのもこの能だけ。
翁の面は神聖であって面をつけた瞬間、翁は神格を帯びるとされる。
翁の舞は神聖な舞であり特に「神楽(かみがく)」と呼ばれ、他の能の型とは趣を異にする。

翁は「万歳楽」と祝意を述べ、面を外し舞台正面に出て深々と辞儀、幕に入る。
「翁返り」と呼ばれる。通常の能はこれで終曲となるが、三番叟が後をつぎ、笛と大鼓が加わり祝言色華やかに「揉之段」を舞い、いったんクツロギ黒式尉の面を着け鈴を持ち一そう華やかに「鈴之段」を舞い、納める。千歳と三番叟は狂言方が勤める。

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